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4コマを描いている井上トモコの日記です

by inouetomokohp

アゲハ観察日記②

虫日記その②です。
長いので何回かに分けます。






一匹目、無事羽化しました。
飛んで行ってしまうと緊張感が抜けて心にぽっかり穴が空いたよう・・・

気が付くとまた終齢幼虫を二匹保護していました。
飼育箱は、段ボールの枠に土用のフルイ(網になってる)を
二つ使って底と蓋を作ったもの。
一応蓋の網には虫よけネットを貼りつけて幼虫の天敵対策をして
いました。
この虫よけネットは、夫がレモンを守るために買ってきて
木にかぶせてたけど、風でバサバサして使い勝手が
悪かったので片づけられていたものだったりする。
レモンを守るためのグッズで幼虫を守ってるんである。

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終齢で保護するとあっという間に蛹になってしまいます。
写真は前蛹。皮が乾燥して中身との隙間ができてくる感じになると
脱皮して蛹になります。
もう少しで脱皮を見られそうだったけど、このあと出かける予定が
あって見逃してしまいました。
毎日ベランダに出て眉間にしわを寄せてしゃがみこんで何かを見ている私。
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これは後日段ボールごと切り取ったもの。
滑らないように足場の布もつけてます。過保護である。
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毎日ストーカーのように蛹の観察をし続けると結構な確率で
羽化に立ち会えます。
大抵午前中。
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無事に羽化できました。

この個体が蛹になった二日後、一緒の箱にいたもう一匹も蛹になろうと
してました。もう一匹の方は飼育箱の天井の裏で前蛹に。
この時に刺激を与えると脱皮失敗したりして死ぬこともあるので
そっとしておきました。

そんで翌日、「そろそろ蛹になったかな?」と蓋をそっと持ち上げて
のぞきこんでみたら・・・

ギャーーーーーー!

蛹の上を小さい羽アリのような虫が二匹ほどウロウロ!!
アゲハ飼いならだれでも知っている悪名高きアオムシコバチ!
あまりの衝撃に思わず殺虫剤をかけたくなる。落ち着け私。

アオムシコバチは蛹に産卵して、蛹の中身を食べて幼虫が育ちます。
そしてある日穴をあけてぞろぞろと出てくるという虫です。
・・・ネットをかけて対策していたのに、後で調べたら2ミリの
隙間があれば入ってくるらしい。
適当に作った段ボール箱の、つなぎ目や蓋や底との隙間から
入った模様。

レモンなどの葉は幼虫にかじられるとSOS物質を出すそうです。
その物質と幼虫の唾液のにおいをかぎつけて、どこからともなく
やってきてピンポイントで蛹を探し当てるなんて、コバチさんすごすぎます。

でも、見つけたからにはコバチにはどいてほしい。
息を吹きかけたくらいじゃ動かないし、耳かきを持ってきて歩き回る
コバチと格闘。どうしても飛んで行かない。
コバチも必死なんである。
なんせ蛹化して4日以内じゃないと皮が固くなって産卵できないのだ。
(実際、同じ箱にいた3日目の蛹は無事だった)
なり立てほやほやの蛹をやっと見つけてやっと産卵できる、と
思ったのに得体のしれない邪魔が入り、ナニコレって感じである。
柑橘系農家では益虫なんである。
レモンのSOSを聞いて助けに来たんである。
なのにこの仕打ち、アタシなんか悪いことしてる?
とでも言ってるよう。

その後、何とかどいてもらって、飼育箱を室内に移動したけれど、
私は腹側についていたもう一匹を見逃していました。
翌日見つけた時にはコバチ、蛹に針を刺して産卵中でした・・・
ううう・・・


観察日記③に続く。
by inouetomokohp | 2014-08-14 21:10 | 虫日記